古事記神話「古事記物語」


 少名毘古那(すくなびこな)1


ある日。
大国主命が、出雲の御大の岬に立っ
ていると、はるかむこうに小さな舟
がみえました。
舟は、どんどんこちらへ近づいてき
ます。



舟にのっているのは、小さな神様と
おともたち。
ガガイモの細長い実を割って作った、
小さな舟でした。



小さな神様は、鵝(かり)の皮をは
いで作った衣を着ています。
「どなたかな」
大国主命が、小さな神様にたずねま
した。
でも、何も答えません。


        つづく