古事記神話「古事記物語」


 やきもちをやく須勢理比売 2


大国主命は片手を馬の鞍(くら)
にかけ、片足を鐙(あぶみ)に入
れて、こんな歌を詠みました。



黒い衣を着て、水鳥のように胸元
をみる。
そして、鳥が羽ばたくように、袖を
あげさげしてみるが似合わない。



波が引いていくように、後に衣を
脱ぎ捨て、今度はかわせみの羽
のような青い衣を着てみる。
袖をあげさげしてみるが、この衣
も似合わない。


         つづく