竹取物語


くらもちの皇子と蓬莱の玉の枝 17


おじいさんをよんでいいました。
「あの玉の枝をみた時、本物かし
らと思い、何度も玉の枝をみまし
た。意外な偽りごとだったのです
ね。偽りの品なので、早くくらもち
の皇子に返してください」



かぐや姫の心はすっかり晴れて、
くらもちの皇子に返歌をしました。



 まことかと聞きて見つれば言の葉を

 かざれる玉の枝にぞありける



かぐや姫は、歌とともに、玉の枝
も返しました。
一方、おじいさんは、あれほど皇
子と意気投合したのに、だまされ
ていたのかと思うときまりが悪く、
しょんぼりして座っています。


         つづく