竹取物語


くらもちの皇子と蓬莱の玉の枝 14


二人が話をしていると、金工が六
人、庭へやってきました。
そして、一人が、文ばさみに文を
はさんで訴えました。



「内匠寮(たくみづかさ)の金工、
綾部の内麻呂が申し上げます。玉
の木の枝を作るために、五穀を断
ち、毎日神仏に祈りながら、千日
あまり玉の枝の制作をしました。



でも、くらもちの皇子から、まだ
玉の枝の謝礼をもらっていません。
ちゃんと謝礼をいただき、貧しい
弟子にやりたいのです」と。
おじいさんは、この金工たちは、何
をいっているのだろうと思いました。


         つづく