竹取物語


くらもちの皇子と蓬莱の玉の枝 5


「くらもちの皇子が、旅から帰っ
てきました」
召使いが告げたので、おじいさん
が皇子に会いました。



「苦労して、玉の枝を持ってきま
した。かぐや姫にみせてください」
おじいさんは、皇子が持ってきた
玉の枝と手紙を持って、かぐや姫
の部屋へ行きました。



 いたずらに身はなしつとも玉の枝を

 たおらでさらに帰らざらまし 



かぐや姫は、玉の枝を手にとって
みました。
「本物かしら」
姫は、何度も玉の枝をみました。
皇子の歌も、なぜか心にひびきま
せん。


         つづく