竹取物語


大伴御行大納言と龍の頸の玉 11


大納言は、立ったり座ったりして、
千回位神様に祈りました。
祈りがきいたのか、やっと雷が鳴
りやみました。
でも、まだ強い風が吹いています。



「やはり、龍のしわざだったのだ。
今吹いている風は、よい方向に向
かって吹いている」
大納言は、船頭のことばも、耳に
はいらぬようでした。



三四日、順風が吹き、船を陸地に
つけることができました。
船頭が浜をみると、そこは播磨の
明石の海岸でした。



          つづく