火とぼし山


   次郎の見合い 5


次の朝。
「ねぇ、次郎さん。今度はいつ会
えるの」
きよが、いつものように聞きました。
「今、野良の仕事が忙しい。だか
ら、今度会うのは、一カ月後かな」
「一カ月後? そんなのいや。私、毎
日でも次郎さんに会いたい」



「きよちゃん。毎日なんて無理だよ」
「次郎さんは、私と会うのがいやに
なったんじゃないの」
きよが、さみしそうにいいました。
「そんなことはない。おらは、きよち
ゃんと会うのを楽しみにしている」



「じゃあ、一カ月後、次郎さんに会
えるのを楽しみにしているわ」
「おらも、楽しみにしているよ」
そういって、二人は別れました。


        つづく