女神さまからのおくりもの

[童話]女神さまからのおくりもの


女神さまからのおくりもの 91


第五章 それぞれの思い 9


吉衛門は、どう聞いたらいいのかわからず、
口ごもってしまいました。
「おじょうさまのことなど、なんとも思っ
ていません」
清太がそういってくれるのを、吉衛門はひ
そかに期待していました。


ところが、
「おら・・・いや私は、おじょうさまのこ
とが大好きです。この家にお世話になった
時から、おじょうさまのことが好きでした」
清太は、吉衛門の目をみていいました。


「なに? きよのことが、大好きだ・・・と」
その時、清太には、「おまえは、とんでもな
いやつだ。おまえは、この家の使用人なんだ
ぞ」という、吉衛門の心の声が聞こえました。


         つづく