女神さまからのおくりもの

[童話]女神さまからのおくりもの


女神さまからのおくりもの 107


第六章 清太、山の中の湖へ 6


清太は、倒れた木の上で、一休みしま
した。
持っているむすびは、三つ。
どんなに腹がへっても、全部食べるわ
けにはいきません。
むすびを一つだけ食べました。
水も一口だけ飲みました。


「ゆうすげの花をみにいった時に食べ
たむすびは、うまかったな」
清太は、きよがにぎってくれたむすび
を、なつかしく思い出しました。


しばらく歩いていくと、コメツガ・シ
ラビソ・モミなどの森がありました。
大きな木の根元には、黄緑色のこけが
たくさんついています。


        つづく