火とぼし山

[童話]火とぼし山


火とぼし山 17


第二章 再会 6


「そうか」
「次郎さん。野良の仕事は、疲れるでしょ」
「なれない仕事だから疲れる。夜になると、
体中が痛くて」
腰をさすりながら、次郎がいいました。
「次郎さん。体だけは気をつけてね」
「きよちゃんもね」
二人は、別れてからのことを、一晩中語り
あかしました。
楽しいひとときでした。


東の空が、だんだんに明るくなってきました。
「きよちゃん。ぼつぼつ帰らないと、仕事
に間に合わないよ。一睡もしていないけれ
ど、だいじょうぶ」
「若いから、平気よ。じゃあ、帰るわ。次
郎さん、今度はいつ会えるの」
「十日後、会おう」


        つづく