日本武尊と明神さまの弓

[童話]日本武尊と明神さまの弓


日本武尊と明神さまの弓 14


「誰だろう」
外に出ると、月明かりの下で、老人が弓を
ひいていました。
曲がっていた腰が、しゃんと伸びています。
別人のようでした。
「おこしてしまったかな」
「いいえ。ぐっすりひと眠りしました」


たけるは、老人の弓を借りて引いてみました。
たけるが持っている弓より、数倍強い弓で
した。
「この弓があったら、東方の国もたやすく
征伐できるかもしれない」
たけるは、この弓がほしくなりました。


         つづく