黄金色のまゆ玉

[童話]黄金色のまゆ玉


黄金色のまゆ玉 3


湖の上には、でこぼこした長い氷の山ができ
ていたのです。
人々には、大きな竜が、湖をのたうちまわっ
ているようにみえました。
なんと、その氷の割れ目は、明神さまが住ん
でいる神社の近くから、湖の向こう側までず
っと続いていました。


「昨夜、氷の上を歩いていた人は、明神さま
だったのだろうか」
「まさか・・・?」
「真夜中、明神さまはどこへ行ったのだろう」
「今夜、そっと明神さまの後をつけてみよう」
「おお、それがいい。それがいい」
勇気のある足の早い青年が、何人かで明神さ
まの後をつけることにしました。


         つづく