黄金色のまゆ玉

[童話]黄金色のまゆ玉


黄金色のまゆ玉 5


「明神さまって、足が速いんだね。まるで、
氷の上をすべるように歩いていったよ」
「それにしても、明神さまはどこへ行ったの
だろう」
「好きな人の所へ行ったのかもしれないよ」
「ばかをいえ。あんな美しい奥さんがいるの
に、明神さまがそんなことをするはずがない
じゃないか」
「じょうだんだよ。じょうだん」


「なにしろあの二人は、うらやましいほど仲
がいいからね」
「じゃあ、明神さまはどこへ行ったのだろう?」
「明日の夜は、明神さまの行き先をちゃんと
つきとめようぜ」
 

         つづく