[童話]開善寺の早梅の精
開善寺の早梅の精 12
「文次さん。ちょっと待っていてくださいね」
そういって、女の人は奥へ入っていきました。
そして、酒と料理を持ってきました。
「さあ、文次さんどうぞ。体が温まりますよ」
女の人は、文次に酒をすすめました。
「うまいっ」
文次は、思わず声をあげました。
こんなうまい酒を飲んだのは、初めてでした。
酒からは、梅の花のいい香りがぷーんとしま
した。
「文次さん。歌をよんでくださいな」
「じゃあ、一句よみましょうか」
文次が、歌をよみました。
つづく