うぐいすの橋

[童話]うぐいすの橋


うぐいすの橋 6


気がつくと、さっきのうぐいすが、かなの前
にいました。
「優しいかなさんに、うぐいすたちは何かお
礼がしたかったのでしょう。かなさん、いつ
までも優しい心を忘れないようにね」
うぐいすは一声なくと、深い谷間にむかって、
まいおりていきました。


かなは、今日もくにゃくにゃ道を歩いて、学
校に通っています。
深い谷のみえる所まで来ると、かなはうぐい
す色の橋のことを、なつかしく思い出します。


すると、深い谷間の方から、うぐいすの声が
聞こえてきます。
あのうぐいすたちが、いつもかなを見守って
いてくれるのでしょうか。
山また山、谷また谷。
そんな山深い村に住んでいる、心の優しい少
女のお話でした。

          おわり