2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

花のほほえみ

片栗

火とぼし山

[童話]火とぼし山 火とぼし山 53 次郎の見合い 13 「なぜ? 次郎さん」 「おらには、小さな時からつきあっている 人がいる」 「誰なの?」 「そんなこと、知り合ったばかりのみよち ゃんにはいえない」 「次郎さんは、その人と結婚するの」 「まだ決め…

花のほほえみ

岩山つつじ

火とぼし山

[童話]火とぼし山 火とぼし山 52 次郎の見合い 12 「これは、一体どういうことなのじゃ。わし には、さっぱりわからん」 明神さまは、小声でつぶやきました。 そして、桑のかげから、二人の様子をじっと みていました。 次郎とみよは、楽しそうに話を…

花のほほえみ

片栗

火とぼし山

[童話]火とぼし山 火とぼし山 51 次郎の見合い 11 「きよが、次郎に会いにきたのだろうか」 明神さまは、そう思いました。 でも、きよではありません。 みたことのない娘でした。 明神さまは、あわてて桑のかげにかくれま した。 「次郎さん、こんにち…

花のほほえみ

火とぼし山

[童話]火とぼし山 火とぼし山 50 第五章 次郎の見合い 10 十日がすぎました。 明神さまは、いつものように、村内のみまわり に行きました。 桑畑を通りかかると、若者が桑の葉をつんでい ました。 「どこの若者だろう」 若者の顔をみた明神さまは、あっ…

花のほほえみ

火とぼし山

[童話]火とぼし山 火とぼし山 49 第五章 次郎の見合い 9 「おらは、つきあう気はない。でも、その 人が、これからもつきあってほしいという んだ」 次郎さんが、誰とつきあおうと勝手だ。でも、私とだけつきあってほしい。 きよは、心の中で強くさけびま…

花のほほえみ

火とぼし山

[童話]火とぼし山 火とぼし山 48 第五章 次郎の見合い 8 「とてもおもしろい人だった。会っている 間、二人とも笑いっぱなしだった。その人 ね、大きな農家の一人娘なんだって。おら に、養子にきてくれないかというんだ」 次郎は、見合いをした娘のこと…

花のほほえみ

雪の花

花のほほえみ

片栗

火とぼし山

[童話]火とぼし山 火とぼし山 47 第五章 次郎の見合い 7 次郎の見合いの話など、きよは聞きたくあり ません。 でも、気になってしかたがなかったのです。 「うん。した」 「次郎さんは、その人と会わないといったの に、どうして会ったの」 「きよちゃん…

花のほほえみ

水仙

火とぼし山

[童話]火とぼし山 火とぼし山 46 第五章 次郎の見合い 6 次郎さんたら、一カ月ぶりに会ったというのに、 見合いの話などして、どういうつもりなのかし ら。いやな次郎さん。 でも、次郎さんがこっそり見合いをしたら、そ れもいやだろうなと思いました。 …

花のほほえみ

ほとけのざ

花のほほえみ

雪柳

火とぼし山

[童話]火とぼし山 火とぼし山 45 第五章 次郎の見合い 5 次の朝。 「ねぇ、次郎さん。今度はいつ会えるの」 きよが、いつものように聞きました。 「今、野良の仕事が忙しい。だから、今度 会うのは、一カ月後かな」 「一カ月後? そんなのいや。私、毎日で…

花のほほえみ

乙女椿

火とぼし山

[童話]火とぼし山 火とぼし山 44 第五章 次郎の見合い 4 「ことわったけれど、どうしても姪と会っ てほしいというんだ」 「次郎さんは、その人と会うつもりなの」 「いや、会うつもりはない。おらには、き よちゃんという大事な人がいる。 だから、 会う…

花のほほえみ

水仙

火とぼし山

[童話]火とぼし山 火とぼし山 43 第五章 次郎の見合い 3 「おこらないで聞いてくれる」 「何なの、次郎さん」 「きよちゃんには、今まで何でも話してきた。 おれ、かくしごとをしたくないので、おもい きって話す。きよちゃん、おこらないでね」 次郎は、…

花のほほえみ

ばいも

火とぼし山

[童話]火とぼし山 火とぼし山 42 第五章 次郎の見合い 2 一カ月ぶりに会えると思うと、何時間もかかる 遠い道のりも、暗い夜道も、少しも苦になりま せんでした。 何時間もかけ、やっと次郎の所へつきました。 「次郎さん。会いたかったわ」 「きよちゃん…

花のほほえみ

乙女椿

火とぼし山

[童話]火とぼし山 火とぼし山 41 第五章 次郎の見合い 1 一カ月がすぎました。 今日は、次郎と会う日。 きよにとって、この一カ月は、気が遠くなる ほど長い時間でした。 後二十九日、後十五日、後八日・・・と、次 郎に会える日を指おり数えて待っていまし…

花のほほえみ

水仙

花のほほえみ

福寿草