火とぼし山

[童話]火とぼし山


火とぼし山 42


第五章 次郎の見合い 2


一カ月ぶりに会えると思うと、何時間もかかる
遠い道のりも、暗い夜道も、少しも苦になりま
せんでした。
何時間もかけ、やっと次郎の所へつきました。
「次郎さん。会いたかったわ」
「きよちゃん。遠い所をご苦労さま。一カ月は、
ほんとに長かったね」
次郎は、笑顔できよを迎えてくれました。
きよは、次郎の笑顔をみてほっとしました。


二人は、一カ月間のできごとを、夢中で語り
あいました。楽しいひとときでした。
「きよちゃん」
「次郎さん、何?」
「おこらないで聞いてくれる」
「何なの、次郎さん」


        つづく