ふしぎな鈴「校長先生と桜の鈴」の章


ふしぎな鈴「校長先生と桜の鈴」4


「わぁ、うれしいなぁ。もしかして…もしかして…
その鈴は小桜姫さまが大切にしていた鈴ですか?」
「どうして、かなは桜の鈴のことを知っているの?」
「とうちゃんがなくなった時、小桜姫さまは二つの
鈴を大切にしていたのだよって、話してくれたから
・・・」




「そうだったのか・・・。かな、おとうさんがそう
いったのか。この鈴はね、小桜姫が大切にしていた
桜の鈴だよ。でも・・・この鈴のことは、誰にも話
してはいけないよ。かな、この鈴をいつまでも大切
にするのだよ」
そういうと、校長先生はゆっくり丘をくだって行き
ました。




校長先生から桜の鈴をもらったかなは、毎日りゅう
と散歩しました。
「りゅう、りゅうはどこからきたの?」
「ぼくはね、遠い国からきたんだ。かなさんのおとう
さんにたのまれて、この国へきたんだよ。おとうさん
はね、あちらの国で元気で暮らしているから、心配し
ないでね」
りゅうはかなにいいました。
りゅうは気の強い犬でしたが、人の気持がわかる利口
な犬でした。
かなはりゅうの顔を初めてみた時「とうちゃんの顔に
そっくりだ」と思いました。



ふしぎな鈴 風の神様からのおくりもの (3)

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