富士山のすきな少女


富士山のすきな少女6


この首かざりを身につけていると、どんな
苦しいことも、悲しいことも、乗りこえら
れますよ。
これからも、おじいさんを大切にしてあげ
てくださいね」
そういいながら、このはなさくや姫は、か
なの首に、首かざりをつけてくれました。



姫さまが動くたびに、桜の花の良いかおり
がしました。
「このはなさくや姫さま。すてきな首かざ
りを、ありがとうございました」
かながお礼をいった時、姫さまの姿は消え
ていました。



かわりに、空からたくさんの桜の花びらが、
ひらひらまいながら落ちてきました。
かなには、桜色のちょうが、楽しそうにまっ
ているようにみえました。



目の前には、いつもの富士山が、何事もなか
ったかのように、美しくそびえていました。


        おわり