ふしぎな鈴「ふしぎなリュック」


  ふしぎな鈴「ふしぎなリュック」4


こげらはこつこつと木の枝をつついていま
す。
先生はかなの横に腰をおろし、いっしょに
空をみあげました。
空には白い雲がぽっかりうかんでいます。
かなは先生と話していると、心の中がぽか
ぽかと温かくなってくるような気がしまし
た。
「いつまでも先生といっしょにいたい」
かなはそう思いました。



その時、かなのポケットの中に入っていた
鈴が、「リーン・リーン・コロンころん」
と鳴り出しました。
ポケットの中で、鈴がうれしそうにおどっ
ているような感じでした。



かなはポケットの中から、鈴をとりだしま
した。その鈴をみた先生は、なつかしい気
がしました。
「桃の形の鈴、どこでみたのだろうか?」
しかし、どこでみたのか、先生には思い出
せませんでした。



「私はどこかでこの鈴をみたことがある。
どこでみたのだろうか」
先生は、心の中で何度もつぶやきました。


        つづく



ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の本。


リーン・リーン・リーン…。
500年の時をへて、心やさしい小桜姫と
現代の少女を結ぶ、美しい鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっと教えて
くれたお話。



「ふしぎな鈴」は、2005年9月、
「鳥影社」から発行されました。
挿絵は、長野ひろかず先生。








http://www.bk1.jp/product/02593627



ふしぎな鈴 風の神様からのおくりもの (3)

ふしぎな鈴 風の神様からのおくりもの (3)