ふしぎな鈴「校長先生と桜の鈴」


ふしぎな鈴「校長先生と桜の鈴」2


五月初めの日曜日。
かなは愛犬のりゅうと、丘の上の山桜をみ
に行きました。



「ホーホケキョ、ホーホケキョ」
どこからかうぐいすの声が聞こえてきまし
た。
「りゅう、うぐいすだよ。いい声だね」
かなは、りゅうに話しかけました。
「どこで鳴いているのかしら」
かなはあたりをみまわしました。



すると、目の前の木に、うぐいすがとまっ
ています。
「ホーホケキョ、ホーホケキョ」
かなが近づいても、うぐいすはにげません。



うぐいすは、かなを案内するかのように、
かなの前をとんでいきます。
「ふしぎなうぐいすだな」
かなはそう思いました。



うぐいすに案内されて丘へつくと、桜が美
しく咲いていました。
そして、桜の木の下には、校長先生が立っ
ていました。


       つづく



ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の本。


リーン・リーン・リーン…。
500年の時をへて、心やさしい小桜姫と
現代の少女を結ぶ、美しい鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっと教えて
くれたお話。



「ふしぎな鈴」は、2005年9月、
「鳥影社」から発行されました。
挿絵は、長野ひろかず先生。











「校長先生と桜の鈴」の章の挿絵 (裏表紙)





http://www.bk1.jp/product/02593627