女神さまからのおくりもの


 女神さまからのおくりもの21


「私、いやぁー、山の神様ぁー、
お願いだぁーという木遣りの声が、
今でも耳に残っているわ」



「おらは、宮川の近くの丘の上から、
川越しをみた。
激流の中を、御柱が無事に川をわた
りおえた時は、感激したな」
清太は、川越しの様子をくわしく話
してくれました。



御柱の川越しも、木落としも、命
がけなんでしょうね」
「祭のたびに、けが人がでるらしい。
山奥から、巨大な樅の木をひいてき
て、四つの神社に十六本もの柱を建
てるのだから、御柱祭ってふしぎな
お祭だね」



きよと清太は、何年か前にみた御柱
祭をなつかしく思い出しました。
「おじょうさま。諏訪の神様は、何
とよばれているか、知っている?」
「明神さまでしょ」


            つづく