竜神になった三郎12
ついに二人は、悪魔のような恐ろ
しいことを考えついたのです。
次の日曜日に、三郎を魚つりにさ
そいだし、諏訪湖の深いふちに突
き落とそうと、二人は決めました。
そんな悪だくみがあるとは知らず、
三郎は妻と仲よく暮らしています。
三郎は妻のことを、「おっかあ」
と呼んでいます。
美しい働き者の妻を、「おっかあ
なんてよぶのはどうかな」とため
らっていた三郎も、今では「おっ
かあ、おっかあ」とよび、大事に
しています。
魔の日曜日がやってきました。
「おっかあ、行ってくるぞ。
大きな魚をつってくるから、楽し
みにして待っていておくれ」
そういって、三郎は暗いうちに家
をでていきました。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090605#p1
初めて読んでくださったかた
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090526#p1
「竜神になった三郎」は、信州諏訪
の「風の神様」から聞いたお話。
「竜神になった三郎」は、みほようこ
の二冊目の童話集「竜神になった三郎」
に収録されています。