鹿になった観音さま


  鹿になった観音さま13


すると、和尚がいいました。
「三郎さは、あけてもくれても、
毎日鹿狩りをしている。
いいかげんに、殺生をやめたらど
うかと、観音さまがいっているの
かもしれんぞ。



鹿は、神様や仏さまのおつかいを
している動物じゃ。
三郎さは、鹿狩りの名人。
観音さまは、おつかいをしてくれ
る鹿がいなくなってしまうのでは
ないかと、心配されたのじゃろう。



わしも、三郎さに、もう鹿狩りは
やめたらどうかと忠告しようと思
っていたところだった」
和尚のことばを聞き、三郎ははっ
としました。


             つづく



    昨日の分は、こちら


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20091114#p1



   初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20091103#p1



「鹿になった観音さま」は、信州
伊那谷にある「立石寺」に伝わ
っている話をヒントにして、みほ
ようこが書いた物語。