笛の音よ、永久にひびけ


  笛の音よ、永久にひびけ12


「山が丸裸になれば、ふもとの村
や町に住んでいる人間たちは、美
味しい水を飲むこともできなくな
るだろう。
海や川にすんでいる魚や貝たちも
こまるだろうね」



「森の動物たちは、これからどこ
で暮らすのだろうか。
森の仲間たちのことが心配だね」
切りたおされたたくさんの木は、口
々になげき悲しみました。



小雪の舞う、寒い季節になりました。
若者が、高原にやってきました。
若者は、コカリナ(木で作ったタテ
笛)の奏者でした。



スキー大会の会場を作るために、切
りたおされたたくさんの木をみて、
若者はこれらの木を生かす方法は
ないものかと考えました。


            つづく



   昨日の分は、こちら


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20091215#p1



   初めて読んでくださったかたへ


   笛の音よ、永久にひびけ1


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20091203#p1




「笛の音よ、永久にひびけ」は、
スキー大会の会場をつくるために
きりたおされた、信州の志賀高原
の樹令200年の楓のお話。



童話「笛の音よ、永久にひびけ」
は、みほようこの四冊目の童話集・
「ライオンめざめる」に収録され
ています。