竜の姿をみた少女


  竜の姿をみた少女31


「さあ・・・なぜ竜になってしまっ
たのだろうね。わしにも、わからん。
神様も、竜になったわけを教えてく
れないのでのぅ」
「奥さまも、竜になったのですか」



「ああ、妻も竜になってしまった。
わしと妻は、諏訪湖のほとりで会っ
た。ひとめみただけでおたがいに好
きになり、結婚した。



ところが、妻があまりに美しい人だ
ったので、兄たちがやきもちをやい
たのじゃ。
そして、わしを諏訪湖の深いふちに
つきおとしてしまった。
この話は、前に話した通りじゃ。



その後、わしは、神様に助けられ、
地の国の王子になった。
地の国の生活は、夢のような生活だ
ったが、わしは愛する妻のことを忘
れることができなかった。



わしは、神様に許しをもらい、この
村へもどってきた。
ところが、妻はどこにもいなかった
のじゃ。

            つづく



   前回の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100825#p1



   初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100725#p2






童話「竜の姿をみた少女」は、
みほようこの五冊目の童話集
「竜の姿をみた少女」に、収録
されています。
昨年12月、「鳥影社」から、
発行されました。



童話集「竜の姿をみた少女」は、
「しらかば湖」と「白駒池」を
訪ねた時に、信州諏訪の「風の
神様」から聞いた話。
風の神様からのおくりものシリ
ーズ5。



http://www.bk1.jp/product/03220629






   収録されている童話

  ・ 竜の姿をみた少女

  ・ 女神さまとの約束



       裏表紙