瑠璃寺の青獅子12
獅子頭のイメージが頭に浮かぶ
と、滝へ行き、不動明王にお参
りしました。
そして、滝で身を清め、獅子頭
を彫るために、小屋にこもりま
した。
「獅子よ。早く目をさましてお
くれ。そして、外へでておいで。
待っているぞ」
男は、木にむかって、話しかけ
ました。
獅子頭の大きさを決めると、て
いねいに木を切りました。
そして、おおまかな獅子の下絵
を描きました。
いよいよ荒彫りです。
荒彫りを始める前に、また滝へ
行き、不動明王にお参りしました。
「不動明王さま。これから、獅子
頭の荒彫りを始めます。
木の中から、元気な獅子がとびだ
してきますように」
そういって、男は祈りました。
つづく
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20101015#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20101005#p1
「瑠璃寺の青獅子」は、信州の伊
那谷にある「瑠璃寺」に伝わって
いる話をヒントにして、みほようこ
が書いた物語。
物語の無断転載・再配布を禁止し
ます。