火とぼし山


    再会 2


しばらく行くと、あたりが真っ暗
になりました。
きよはあかりに火をともし、諏訪
湖のまわりを足早に歩いて行き
ました。



「次郎さん。早く火をたいてね」
きよは、心の中で祈りました。
西山に、ぽっと小さな火がとも
りました。
次郎と約束していなければ、み
のがしてしまいそうな小さな火
でした。



「あっ、次郎さんだ。約束通り火
をたいてくれたのね。次郎さん、
ありがとう」
きよは、遠くにみえる火を目印に
して、諏訪湖のまわりを歩いて行
きました。


         つづく