2017-11-10 火とぼし山 童話 再会 1 七日がすぎました。 今日は、次郎と会う日。 早めに仕事を終えたきよは、西山 に太陽が沈む頃、次郎が住む村に 向かって出発しました。 「とうちゃん、かあちゃん。行っ てきます」 「きよ、気をつけて行くのだよ。 次郎君によろしくな」 父と母が、庭先まで見送ってくれ ました。 「今夜は、次郎さんに会える」 そう思うと、心がはずみます。 きよは、何時間もかかる遠い 道のりも、真っ暗な夜道も、次 郎に会えると思うと少しも苦 になりませんでした。 つづく