[童話]女神さまからのおくりもの
女神さまからのおくりもの 27
第二章 諏訪からきた少年 11
「吉衛門さんは、いい息子さんがいて、
幸せじゃのぅ」
「いや、清太は、わしの息子ではない。
わが家で働いている少年じゃ。こんなす
てきな息子がいたら、うれしいのだが」
清太と吉衛門は、なぜか親子にまちがわ
れました。
忙しい生活を送っている清太にも、たっ
た一つ、楽しみがありました。
白駒の背にきよを乗せ、八ヶ岳のふもと
の高原を、二人で走りまわることでした。
きよと高原を走っている時、清太は幸せ
でした。
つづく