2018-01-12 火とぼし山 童話 湖を泳ぐ娘 24 「きよちゃんは、いつもそんな ふうに祈っているの」 「祈っているわ。次郎さんのこ とも、元気で暮らせますように と、毎日祈っている」 きよのことばを聞き、次郎は思 いました。 おらは、暗い夜道を、何時間も かけて訪ねてくるきよちゃんの ことを、一度でも祈ったことが あっただろうかと。 「次郎さん。私ね、湖を泳いで いると、魚になっちゃったのか なって、思う時があるの」 「魚になる?」 つづく