女神さまからのおくりもの

[童話]女神さまからのおくりもの


女神さまからのおくりもの 97


第五章 それぞれの思い 15


「清太。そうはいかない。実は、きよも清太
が大好きだといっている。結婚することがで
きない若い二人が、同じ屋根の下で一緒に暮
らすことはできない。きよのためにも、清太
のためにも、これ以上一緒にいてはいけない。
清太、お願いだから、すぐこの家を出ていっ
てほしい」
吉衛門は、清太にお願いしました。


「庄屋さま。今日一日だけ、この家にいさせ
てください。私は、おじょうさまと白駒に、
それとなくお別れがしたいのです」
「清太。今日、一日だけだぞ。明日の朝早く、
みんながおきないうちに、この家を出て行っ
てほしい。きよには、何もいわないでおくれ。
たのむ、清太」


        つづく