女神さまからのおくりもの

[童話]女神さまからのおくりもの


女神さまからのおくりもの 98


第五章 それぞれの思い 16


「わかりました」
清太は、心ならずもそう答えました。
でも、心の中では、こうさけんでいたのです。
「おらは、きよちゃんと結婚できるような家
に生まれたかった。そして、きよちゃんと結
婚したかった」と。


「清太。八年間、よく働いてくれたね。あり
がとう。これは、私の気持だ。これだけあれ
ば、三ヵ月くらいはなんとか暮らせるだろう。
その間に、次の仕事をみつけなさい。清太な
ら、きっといい仕事がみつかるだろう」
吉衛門は、清太にお金を渡しました。


        つづく