女神さまからのおくりもの

[童話]女神さまからのおくりもの


女神さまからのおくりもの 112


第六章 清太、山の中の湖へ 11


きよちゃんがこんなに好きなのに・・・。
なぜきよちゃんのそばで暮らすことができ
ないのだろう。
「おじょうさまのことなど、なんとも思っ
ていません」と、庄屋にいえば良かった。
そうすれば、きよちゃんのそばで、一生暮
らすことができたのに。
おれって、なんて馬鹿なんだろう。


湖のまわりを歩いているうちに、清太の心
は再びゆれはじめました。
いっそ、この湖で死んでしまおうか。
いやいや、そんなことをしてはいけない。
おらが死ねば、きよちゃんが悲しがる。
きよちゃんを悲しますことだけはしてはい
けない。


         つづく