女神さまからのおくりもの

[童話]女神さまからのおくりもの


女神さまからのおくりもの 99


第五章 それぞれの思い 17


「ありがとうございます。この八年間、庄屋
さまには、わが子のようにかわいがっていた
だきありがとうございました。私は、幸せ者
です。庄屋さまはじめおじょうさま、この家
で働いている人たちに親切にしていただいた
こと、一生忘れません。どうか、おじょうさ
まに、清太は幸せでしたとお伝えください。
お願いします」


「清太、元気で暮らすのだよ。幸せになって
おくれ」
吉衛門は、なごりおしそうにいいました。
わしは、きよも清太も、どちらも手ばなした
くない。
二人とも、自分のそばにおきたい。
わしに勇気があったら、二人を結婚させてあ
げられるのに。


         つづく