火とぼし山

[童話]火とぼし山


火とぼし山 37


第四章 一ヶ月に一度の出会い 9


「まあ、どんなに仲がよくても、たまには
けんかもするさ。このわしだって、妻とけ
んかをする。わしが、このように妻のやし
きへ通うようになった原因だって、ほんの
ささいなけんかだったものな」
明神さまは、奥さんとけんかした日のこと
を思いだしました。


「娘よ。青年と仲良くしたまえ。けんかを
したのなら、一日も早く仲直りしなさい。け
んかが長びくと、ろくなことはないからのぅ」
明神さまは、心の中で娘に話しかけました。


         つづく