2019-03-15 火とぼし山 童話 [童話]火とぼし山 火とぼし山 21 第三章 湖の氷の上を歩く娘 3 「娘よ。なぜ氷の上を歩くのじゃ。湖の氷 は、まだ薄い。湖に落ちれば、死んでしま うぞ。このわしでさえ、今夜初めて氷の上 を歩いたのじゃ。おまえは、ほんとにむて っぽうな娘じゃのぅ」 明神さんは、心の中で娘に話しかけました。 無事に湖をわたりおえた娘は、裏山に向か って歩き始めました。 娘は、急な坂道をどんどん登って行きます。 「なんて足のはやい娘だろう」 明神さまは、小声でつぶやきました。 つづく