火とぼし山

[童話]火とぼし山


火とぼし山 30


第四章 一ヶ月に一度の出会い 2


きよは、次郎のことを考えながら、湖のま
わりを足早に歩いて行きます。
しかし、歩いても、歩いても、なかなか次
郎の所へたどりつけません。


何時間もかけ、やっと次郎の所へつきました。
「次郎さん。今夜は、湖のまわりを歩いて
きたの。だから、遅くなってしまった。次
郎さん。会いたかったわ」
「きよちゃん。遠い所をご苦労さま。待っ
ていたよ」
次郎は、笑顔できよを迎えてくれました。
「私は、次郎さんの笑顔をみるだけで幸せ」
きよは、心の中でそっとつぶやきました。


         つづく