火とぼし山

[童話]火とぼし山


火とぼし山 81


新しい出発 10


「早く水をはきださなくては」
手長と足長は、きよをかかえ岸にあがりま
した。
そして、水をはきださせました。
「きよ」
「きよ」
二人は、何度もきよの名をよびました。
でも、きよの意識はもどりません。


「明神さま。今、きよを助けました。しか
し、意識がもどりません。どうしたらよい
でしょうか」
「きよを、わしのやしきへ運んでくれ」
「はい、わかりました」
手長と足長は、明神さまのやしきへ、きよ
を運んでいきました。


        つづく