鹿になった観音さま

[童話]鹿になった観音さま


鹿になった観音さま 14


「三郎さ。黄金色の鹿は、小さい観音さまの
化身だったのかもしれないぞ」
「えっ、観音さまの化身?」
「そうじゃ」
「じゃあ、わしは・・・観音さまに・・・矢
をむけたということですか」
「そういうことになるかのぅ」
和尚がいいました。


「和尚さま。わしは、おそれおおくも観音さ
まに矢をむけてしまいました。わしは、どう
したらいいんじゃ」
三郎は、観音さまの化身である鹿に矢をむけ
たことを、心からくやみました。


        つづく