鹿になった観音さま

[童話]鹿になった観音さま


鹿になった観音さま 15


すると、和尚がいいました。
「三郎さは、あけてもくれても、鹿狩りを
している。もういいかげんに、殺生をやめ
たらどうかと、観音さまがいっているのか
もしれんぞ。


鹿は、神様や仏さまのおつかいをしている
動物じゃ。三郎さは、鹿狩りの名人。観音
さまは、おつかいをしてくれる鹿がいなく
なってしまうのではないかと、心配された
のかもしれんぞ。実は、わしも、三郎さに
殺生をしないようにと忠告しようと思って
いたところじゃ」


「鹿は、神様や仏様のおつかいをしている
動物なのですね。知りませんでした」
和尚のことばを聞き、三郎ははっとしました。


        つづく