井戸で鳴く黄金色のにわとり

[童話]井戸で鳴く黄金色のにわとり


井戸で鳴く黄金色のにわとり 21


「武田の軍勢が、城をぬけだしたぞー。すぐ
後をおえー」
信忠の声で、兵士たちが武田の軍の後を追い
ました。


「姫さま、さあ早く。だいじょうぶですか」
「私は、だいじょうぶ。みなさんは、私にか
まわず逃げて。一人でも多く助かってほしい
の。今までいろいろお世話になりました。あ
りがとう」
姫が、そういって頭をさげました。


「姫さま。私たちが最後まで姫さまをお守り
いたします。だから、あきらめずに甲斐へも
どりましょう」
おつきの人たちが、口々にいいました。


        つづく