[童話]井戸で鳴く黄金色のにわとり
井戸で鳴く黄金色のにわとり 22
姫は、おつきの人たちと一緒に、暗闇の中を
逃げまわりました。
逃げまわっているうちに、姫はおつきの人た
ちとはぐれてしまいました。
「姫さま」
「姫さまー。どこにいるの」
おつきの人たちの声が、遠くから聞こえてき
ました。
三河の兵士たちが、姫をおってきます。
姫は、本丸の北方の断崖までおいつめられて
しまいました。
すぐ近くに、城の井戸があります。
深い井戸でした。
姫は、しばらく井戸の囲みの中にかくれてい
ました。
「こんなところに、姫がいるぞー」
兵士の声がしました。
つづく