開善寺の早梅の精

[童話]開善寺の早梅の精


開善寺の早梅の精 5


そして、胸をはずませ、開善寺へいそぎま
した。
寺へ着くと、梅の花が咲いていました。
雪のように白い、美しい花でした。
あたり一面に、梅の花のいい香りがただよ
っています。
なんともいえない清らかな香りでした。
「なんていい香りだろう」
文次は、梅の香りにうっとりしました。


早速、一句よみました。

  南枝向暖北枝寒 

  一種春風有両般


(南枝は暖に向かひ北枝は寒し 一種の春
風両般あり)   


       つづく