2019-11-27 開善寺の早梅の精 童話 [童話]開善寺の早梅の精 開善寺の早梅の精 6 文次は、梅の花にみとれていました。 ふと気がつくと、目の前に美しい女の人が立 っていました。 女の人は、いつここへきたのでしょうか。 年のころは、二十才。 いや、もっと若いかもしれません。 清楚な、美しい人でした。 女の人は、紅色の着物の上に、白い上着をき ています。 「なんて美しい上品な人だろう。梅の精みた いな人だ」 文次は、心の中でそっとつぶやきました。 つづく