2019-12-08 開善寺の早梅の精 童話 [童話]開善寺の早梅の精 開善寺の早梅の精 17 「文次さん。昨夜は、ほんとに楽しかったわ。 ありがとう。来年、梅が咲くころ、ここで会 いましょうね。きっとよ」 どこからか、やさしい声が聞こえてきました。 「あの美しい女の人は、早梅の精だったのか もしれない」 文次は、そう思いました。 そうです。 文次の前にあらわれた女の人は、月香寮の前 に咲いている早梅の精だったのです。 つづく