開善寺の早梅の精

[童話]開善寺の早梅の精


開善寺の早梅の精 17


「文次さん。昨夜は、ほんとに楽しかったわ。
ありがとう。来年、梅が咲くころ、ここで会
いましょうね。きっとよ」
どこからか、やさしい声が聞こえてきました。
「あの美しい女の人は、早梅の精だったのか
もしれない」 
文次は、そう思いました。


そうです。
文次の前にあらわれた女の人は、月香寮の前
に咲いている早梅の精だったのです。


        つづく