ふしぎな鈴12
「でも……姫さま、せっかく……お話
ができるようになったのに、……もう
すぐ……お別れしなくてはならないの
……残念だわ」
「なぜ?」
「私たち……もうすぐ……ちってしま
うの」
「でも、また会えるでしょ?」
「ええ、姫さま。来年……また会いま
しょうね。
この鈴のことは……だれにも……ない
しょよ。……姫のおとうさまにも……ね」
とぎれとぎれでしたが、姫は桜の
花とお話することができました。
「この鈴を七回ふると、花とお話
をすることができるのね。
なんてふしぎな鈴なのかしら」
姫はそっとつぶやきました。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20081120#p1
「ふしぎな鈴」は、みほようこの
三冊目の童話。
2005年9月、「鳥影社」から
発行されました。
リーン・リーン・リーン。…
五百年の時をへて、心やさしい小
桜姫と現代の少女をむすぶ、美し
い鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっ
と教えてくれたお話。
http://www.bk1.jp/product/02593627
「鳥影社」へ直接注文することも
できます。
送料は無料です。