女神さまからのおくりもの

[童話]女神さまからのおくりもの


女神さまからのおくりもの 87


第五章 それぞれの思い 5


「とうちゃんは家柄が大事だというけれど、
私は庄屋の娘として生まれ、清太さんは貧
しい家に生まれたというだけのことではな
いかしら。もし私が貧しい家の娘だったら、
とうちゃんは自分の息子とつきあうのを反
対するの」
吉衛門は、何もいえませんでした。


「きよ、正直にいおう。とうちゃんは、清
太が大好きだ。清太は、誠実な心のやさし
い青年だ。体も丈夫だし、自分の考えもし
っかり持っている。その上働き者だ。家柄
のことを除けば、きよの結婚相手として、
もうしぶんのない青年だ」


        つづく