火とぼし山


   新しい出発 15


すると、
「次郎さんが・・・」
「次郎がどうした」
「次郎さんがたいてくれた火が」
「きよ。火がどうしたのじゃ」
「火が南にともっていたの」



「何、火が南にともっていたと。
きよ、それは、ほんとか」
「はい。火が、いつもより南に
ともっていました。泳ぐ方向を
変えようと思ったとたん、うず
にまきこまれてしまいました」
「そうか。やっぱりそうだった
のか」


      つづく