[童話]女神さまからのおくりもの
女神さまからのおくりもの 95
第五章 それぞれの思い 13
「清太。大声を出してごめん。つい興奮して
しまって。ほんとうに申し訳ない」
吉衛門は、清太にあやまりました。
「いいえ。私こそ失礼なことをいい申し訳あ
りません。先日、霧ケ峰高原へゆうすげの花
をみに行った時、おじょうさまから縁談の話
を聞きました。でも、私は、おじょうさまに
自分の気持を伝えることができませんでした。
庄屋さまには、私の気持を知っておいていた
だきたいと思い、つい話してしまいました。
失礼をお許しください」
清太は、深々と頭をさげました。
つづく